お嬢様は元ヤンキー!?
しばらく歩くと一軒だけ大きな家があった。
おとぎ話にでも出てきそうな洋館だった。
家の前には沢山花が植えてあって、つい見入ってしまった。
「渚?どした?」
「え?あー…なんか凄く綺麗に咲いてるなぁと思って。」
奏斗は一瞬だけ目を見開いて直ぐにフッと笑った。
「それを言ったらきっとあの人も喜ぶよ。」
「……?」
それだけ言うと奏斗は足早に洋館の入り口まで行た。
――――ガチャ
「……!?
えっ…ちょ…何してるの!?何で鍵…っていうか不法侵入だし!!」
「不法侵入じゃない、鍵はもらった。」
誰によ?と思ったけど何も言わなかった。
「…あらあら、珍しいお客さんが来たもんだねぇ…」
洋館の中に入ると階段から1人のおばあさんが降りてきた。
「久しぶりだねぇ…大きくなって…見違えたわ…」
「最後来たときからもう10年は経ってますから。」
「あら、もうそんなになるかねぇ…」
は…話しについていけない…ι
この洋館何!?
抑、おばあさんどちら様!?
凄く優しそうな方だけど…
ホントに誰っ!?
1人でおろおろしていると奏斗が私を見て思い出したように言った。
「お婆様、こちらは緒方 渚。緒方グループの娘です。」
「あっ…!初めまして緒方 渚です…!!
あの…すみません…今日こちらに伺うと存じていなかったものでなにも…」