お嬢様は元ヤンキー!?




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~昼休み~


「『緒方 渚』。いるかしら?」


昼休み、突然の訪問。
妃ちゃんと話していたら教室の扉が思いっきり開かれた。
これにはクラス全員ビックリ。

先輩はいきなり教室に入ってきた。
後ろに数人引き連れて。


「…いるかしら?」


クラス全員私の方を見る。

とうとう来たか…この日が…!!!
(どんな日だ!!!)


私は無言で立ち上がる。


「な…渚ちゃん…」


「ちょっと行ってくるだけだから。」


私は笑顔で妃ちゃんに答える。


「渚ちゃん…」


「心配しないで?…行ってきます。」


私は先輩たちのいる扉に向かう。


「行きましょうか。」


「………」


教室を出る前に奏斗の方をチラッと見る。

奏斗はコッチを向いていて…
何かを考えているような表情だった。

なんでだろう…
奏斗を見ていたら泣きそうになった。

だから…

だから私は足早に

沈黙の教室を後にした。




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