お嬢様は元ヤンキー!?




………本当に…

優奈どうしたんだろう…
一度も目を見て話してくれなかった。


正直、優奈に手を払われた時、泣きそうになった。


何が起こったのか分からなかった。
どうして振り払われたのか分からなかった。


どうして…

優奈はあんなに悲しそうな顔をしていたんだろう…?


奏斗も優奈も今日は何だか変だ…



―――――――……コンコン


「はい」


「私。…渚」


「あぁ、入れ。」



―――――…ガチャ


「失礼します。」


「あぁ。」


生徒会長室に入ると扉が「ガチャン」といって閉まった。














「ごめんなさい…ごめんなさい…」


渚が生徒会長室に入った後、
優奈は渚に聞こえないようにそう何度も呟きながら声を押し殺して泣いた。


………優奈は知っていたから。

この後、渚に訪れる不運の事を。

それを言ってはいけない『罪悪感』と、


1年間一緒にやってきたこの場所で、
もしかしたらここでは最後の会話なのかもしれないこの場所で、

渚を『拒絶』した酷い自分に対して。



優奈は泣いた。

声を押し殺して――…


「ごめん…なさ…ほん…とに…」


そう…
何度も呟きながら―――…





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