お嬢様は元ヤンキー!?




暁さんは考え方が大人だ…

私はまだそんな風には考えられない。


ジュエルが大切過ぎて、
ジュエルのみんなや純也や翼や波亜南という存在が大切過ぎて、


誰も何も失いたくなくて。


その為には私が華月乱風に行けば良いだけの話で。


なのにみんなをこんなに悩ませて。


本当に自分が嫌になる…



「―――…私が…」


「……渚?」


「…私が…華月乱風に行けば済む…話よ…

それが一番誰も傷つけないで済むの…」


「………だから、「私は!!!」」


「―――…っ!!!…もう…失いなくないの…!!!

大切なものを…大好きな人を…!!!」



―――――…パンッ…



私がそう言った途端、乾いた音ともに、右頬に痛みが走る。


「………」


「―――…っ!!!」


「………!!!…純也!!!」


「お前は…お前は自分が大切じゃないのか?」


「………っ」


「確かにお前が華月乱風に行ったら済む話なんだよ。

それが誰も傷つけずに済む唯一の方法なんだよ。

だけどな、お前が傷つくと分かっていて行かせる俺等の気持ち考えろよ!!!」




< 298 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop