お嬢様は元ヤンキー!?
「…………。」
「よく猫なんて被ってられますわね。
わたくしなら無理ですわ。」
俺だって好きで被ってんじゃないし。
適当に愛想笑いしてたらそうなっただけだし。
「あ。お前暇ならさぁ、入学式終わった後にコイツ探してくんね?」
そう言って俺は優奈に1枚の写真を渡した。
「あら…
確かこの子…」
「緒方 渚。
知ってんの?」
「知ってるも何も
最近お父様からよく聞きますわ。
『礼儀正しくて
とても気が利く女性だ』
…と。
別に捜すのぐらい構いませんけど何故ですの?」
「ババアに捜せって言われたから。
別に俺が捜してもいいんだが場が混乱するからな。」
「自意識過剰ですわ…」
「何か言いましたか?」
「いえ。何も。
気持ち悪い猫被りの笑みで微笑みかけるの。
辞めていただけるかしら。」
「………。」
コイツがかなりの毒舌だと思うのは俺の気のせいだろうか……