TIME☆1
「未央・・・?」

そう心配してくれたのは
真紀だった。

「ねえ、健司。
あんたさ、未央になんかしたとか
こころあたりない?」
「ねえよ」
「そっか・・・。
じゃあ、私が謝るよ。
あの子朝からちょっと様子
おかしいんだ。
気にしないでやってよ。」
「別に
気にしてねぇよ。」

真紀は軽く笑うと
教室を出た私をを追いかけた。









「未央!!
まってよ!!
ま、まってってば。」

私は真紀に手をつかまれた。

「未央どうしたの?」
「べつに・・・」
「べつに、じゃないでしょ?
なんかあったら私に話したっていいじゃない」
「真紀だってグルじゃん。」
「はい?」
「もう、いい!!
1人にして!!
私は今日がこんな日に
なるなんて望んでなかったのに・・・!!」
「未央・・・」


ゴメン。
真紀。
こんな風に台無しにしたくなかった。
でも、健司のあの言い方は
許せない。
なによ。
鈴木さんって・・・。







それから1人でとぼとぼ家に帰った。
なんなんだろ。
このむなしさは。


「ただいまー」
「おかえりー。
今日は早かったのね。」




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