最愛の人
第1章
出会いと別れ
今日はあたしにとって特別な日
一年で唯一涙を流せる日
そしてあたしの大好きな両親の命日…
両親が亡くなったのは小学3年の時
すぐには両親の死を受け入れることができなくて毎日夕方になれば帰ってくるって信じてた
もちろん帰ってくるはずがなくて毎日涙が枯れるぐらい泣いた
いつも泣くときにはおばあちゃんが傍に居て慰めてくれた
ある日おばあちゃんに言われてことがある
『いつまでも泣いてるとパパとママが悲しむよ。パパとママは初美にはいつも笑顔でいて欲しいって思ってるんじゃないかな?』
『……』
『この悲しみを綺麗さっぱり忘れるのは無理かもしれないね…。でも、毎日毎日泣いてても前には進めない。もうそろそろ前に進んでいいんじゃない?』
『パパとママを忘れるなんて出来ないよー…』
『そうだね。忘れるのは亡くなった人に失礼だね。だったら、毎日亡くなった人の事を思って泣くんじゃなくて、大切な日…例えば【命日】にパパやママを思い出して泣くようにすればいい』
『命日に・・・?』