最愛の人

男達がジロジロあたしを見てくる。
それがすっごく気持ち悪い…


掴まれてる腕を振り回して振りほどこうとしてるけど、一向に振りほどけない。




…ん?
前にもこんなことあったような…?




確か…


そうそう、命日の日に公園で泣いてたときだ。
あの時は、みー君が助けてくれたんだよね。



また助けに来てくれないかな…?
みー君ならあっという間にやっつけてくれるのに。


喧嘩が強いのかは知らないけど、あの怖い顔で睨めばこの人達なんてすぐ怖気づくはず!!




そんなことを考えてたせいで抵抗するのを忘れてた。
そのおかげか、男が腕を掴んでる力が弱くなってる…うん、今しかない!


さっき買ったものが入ってる袋を思いっきり振り回して抵抗したら


「イテッー…何しやがんだぁ!?」


腕を掴んでた男にヒット!!
一瞬あたしの腕を放したからその隙にもうダッシュ。
あたしもやればできるんだね!


なんて喜んでられない。


「待ちやがれー!!」


「ぜってー逃がすな」


って後ろから聞こえてくる…



とりあえず…家に帰るのはまずい。
逃げ切れても、あたしの家がばれる。しかも、乗り込んできたら逃げ場がない…


この人達を撒くしかないってことかぁ…



うん。体力持たない!



どんー…


必死で走ってたから道を曲がったときに人が居る事に気付かなかった



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