君を愛した証―上―
「・・・お前を幼馴染と思ったことなんか
一度もねぇよ・・・」

・・・え?

幼馴染と思ったことなんか一度もない・・・?

う・・・そ・・・。

だって、だって!!

翔太ぁ・・・いつもの翔太じゃない!!

「うそでしょぉ・・・!!
翔太ぁっウソって言ってぇ・・・」

ウソじゃないなんて分かってる。

翔太は冗談なんて言わないし

でも、でもね・・・。

ママが死んで・・・頼ったのは翔太。

嫌われたら・・・だれを頼ればいい?

「ウソじゃない。

・・・じゃあな」

翔太・・・。

私、私ね・・・翔太だけを頼ってたの。

パパは私を殴って・・・殴って。

でも、私は翔太がいたから・・
パパに立ち向かえた。

どうして・・・翔太。


―7時、家

「またお前は・・・っ!!」

バキッ!!

久し振りに・・・殴られた。

頬がジンジンする・・・。

「ごめんなさい・・・
ごめんなさいっ」

私の体には、

驚くほどの無数の傷ができた。

これじゃあ、隠せない・・・。

しかたないな、なんとかしてごまかさなきゃ。

「いたいっ熱い・・・!!」

根性焼きをさせられて
私は・・・感情を失った。
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