原色ヤンキーにメガネ
すぐにそれに気が付いた玉置がビーちゃんを抱きかかえ、頭と足の怪我の確認をする。
モジモジとする男の子に『プールサイドは走るなよ』と言い含めた玉置は『いたい、いたい』と泣き叫ぶビーちゃんの背中をトントンと軽く叩いた。
(……すっごい、手際いいじゃん、玉置君)
良子は何も出来なかった自分が少し恥ずかしかった。
「だ、大丈夫?」
やっと口から出た言葉はこんなモノで、ただボーっと立っていた自分が格好悪いと感じる。
「あ?……大丈夫だろ。大したことない。けど膝の傷もあるから、医務室に行ってくるよ。消毒して貰って来るよ」
「あ、うん。じゃ、私ここにいるから」
「ビーちゃん、痛いの痛いの飛んでけー!飛んでけー!!」
と呪文を唱えながらスタスタと歩く玉置の後ろ姿を良子は椅子に座って見つめた。
(本当に……偉いんだよなぁ。私なんかよりよっぽど……)
超不良ヤンキーのくせに、ちゃんとお兄ちゃんしている玉置は自分よりもよっぽど偉いと思う。
ただ『飛んでけー』じゃなくて『飛んでいけー』のが文法的には正しいのが気になるところだが。
モジモジとする男の子に『プールサイドは走るなよ』と言い含めた玉置は『いたい、いたい』と泣き叫ぶビーちゃんの背中をトントンと軽く叩いた。
(……すっごい、手際いいじゃん、玉置君)
良子は何も出来なかった自分が少し恥ずかしかった。
「だ、大丈夫?」
やっと口から出た言葉はこんなモノで、ただボーっと立っていた自分が格好悪いと感じる。
「あ?……大丈夫だろ。大したことない。けど膝の傷もあるから、医務室に行ってくるよ。消毒して貰って来るよ」
「あ、うん。じゃ、私ここにいるから」
「ビーちゃん、痛いの痛いの飛んでけー!飛んでけー!!」
と呪文を唱えながらスタスタと歩く玉置の後ろ姿を良子は椅子に座って見つめた。
(本当に……偉いんだよなぁ。私なんかよりよっぽど……)
超不良ヤンキーのくせに、ちゃんとお兄ちゃんしている玉置は自分よりもよっぽど偉いと思う。
ただ『飛んでけー』じゃなくて『飛んでいけー』のが文法的には正しいのが気になるところだが。