原色ヤンキーにメガネ
「さて……っと」

一人でサマーベッドに寝転がるが、あまりの日射しの強さに良子は起き上がってTシャツを着てタオルを出した。

大きなタオルを足にかけてサマーベッドに座る良子の耳に、相変わらずウォータースライダーからの楽しげな悲鳴が次々に届く。

しかし暑い。

一人ぼっちになった途端に日射しがさっきより強く感じられ、Tシャツから出ている腕や首がヒリヒリする。

(暇だなぁ……)

良子はしばらく二人は戻って来ないだろうと、トイレに向かった。

ヒンヤリとしたコンクリートの建物の中に自動販売機が並び、そこを抜けたところにトイレはあった。


「あれ?相澤さ……ん?」

(げげ?……こんなトコでまさかの『相澤さん』?ありえないって!!)

あまりに驚いて完全に立ち止まってしまった良子。

(に……逃げるか?いや、でも)

この先にはトイレしかなく、袋小路。

逃げるには遅過ぎる。
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