原色ヤンキーにメガネ
覚悟を決めた良子が恐る恐る振り向くとそこにはクラスメートの横田明美（ヨコタアケミ）がいた。

「あ……こん、ちは……」

なんとも間の抜けた声が出た。

（あぁぁ……。そんなに見ないでくれぇ）

クラスメートに会った事で一層自分のスクール水着姿が恥ずかしく感じる。

良子は両手でTシャツの裾を必死にひっぱった。

どうせ半分湿ったTシャツからは紺のプロレスラーみたいな水着が透けて見えてしまうけれど、それでも隠したかった。

「偶然だね。相澤さんにこんなトコで会うなんて」

「う、うん。本当に……偶然だね。……こんな格好で恥ずかしいな」

なぜか自分から自爆の道を歩み出してしまうパニック真っ最中の良子。

「あ、あれ？スクール水着？全然気がつかなかったぁ。うん。なんか……水着って恥ずかしいよね。私も恥ずかしいよ」

明美は淡い水色の地に黄色やオレンジのポップな水玉模様のレトロなビキニで、スタイルのいい彼女は健康的に水着を着こなしている。

良子から見れば羨ましいばかりなのに

「あぁ、私もTシャツ着てくればよかったな」

と両手で太ももら辺を隠すしぐさをする。

その表情に良子をバカにしている感じはなく、そんな明美につられて良子も口元を緩めた。



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