原色ヤンキーにメガネ

「あ、そうだ。相澤ちゃぁ～ん。N大の推薦希望、だしちゃだめでしょ～？分かってるでしょ～？おほほほほ～」

わざとらしいオネェ言葉でナルセは良子のオデコを小突いた。

（痛い……）

小突かれたオデコが痛む。

その痛みはしだいに体全体に広がり、胸の奥に沈んで行った。

痛みを胸にしまって顔を上げると、葉月を中心に女の子達も蔑みの視線を良子に浴びせうっすらと笑っている様に感じる。

ただ明美だけが申し訳なさそうに下を向いていた。

端から見れば仲良く談笑。

でも実際は──

蓋を開ければ脅迫。

（なんだこれ……）