原色ヤンキーにメガネ
午後の授業も『あんた達お願いだから勉強しようよ』とお願いしたくなるくらいに、リエとお友達一号は渋木に盛り上がり……

つられて良子まで盛り上がってしまい、英語の小テストは見事に40点をマーク。

「はぁぁぁ」

今日何度目か分からないため息をつきながら、良子は『でちゅよ保育園』の横を通過した。

最近はこの辺りの地理にも明るくなり、今まで自分がいかに遠回りをして塾に通っていたかを知った良子である。

背中をジリジリと焦がす西日が疲労感を倍増させる。

「……い!!おい!」

「ん?」

音の方へ視線を移すと、ザワザワと横の茂みが揺れている。

「ひッ!」

何だ?

痴漢か?

はたまた露出狂か?

いや、今度こそ──

(ててて……貞操の危機だぁぁぁ!!)

走り去りたいのに思う様に動かない足。

そして凝視している茂みからガバッと現れたのは──

真っ赤。

「た……たま……き、きゅん──」
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