原色ヤンキーにメガネ
「なーんだ。つまんねぇ」

「……私が玉置君に『キュンキュン』したらその時は『玉置キュン』と呼ばせてもらうよ……。ありがたく」

ワッハッハと豪快に笑う黄色のシャツは、良子にはジャイアンにしか見えなかった。

(……ていうか──)

ジャイアンに気を取り直して聞いてみる。

「……何してるの?」

「あ?分かんないか?いじめられてないか見張っているのだ」

「……あ、そう」

普通は分からない。

しかも『のだ』とか、微妙に胸張ってるのはなぜか。

でもそれよりも、何よりも一番気になるのは──

「………不審者と間違われない?」

である。

「……だから、ヨッちゃんもここに居ろよ。カップルなら大丈夫だ」

「……え?やだ。やだよぅ」

不審者もカップルもごめんな良子である。
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