原色ヤンキーにメガネ
「あらぁ~素敵じゃない、偶然の出会い。どうせ家か図書館にしか行かないんだから、教えてあげれば?暇もてあましてるでしょ?」

「……………」

(なんたる言われよう。しかも、事実なトコがまた痛いな)

そんな良子を尻目に母は和室から出て来て、またソファーの後ろを通過してキッチンに入る。

「恋に発展するかもよ?」

「お、お母さん!!」

「冗談。さ、ご飯の準備手伝って」

母の突拍子もない発言には敵わない。

(でもあの真っ赤との恋はないッ!最初っから、いきなりファイルアンサーだよ!!)

携帯を睨みつける良子。

「ホラ早くッ!」

母の食器を運ぶように催促する声に良子はぶぅと膨れた頬のまま、キッチンへ向かった。
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