原色ヤンキーにメガネ
良子は【LOVE TEPPEI】と書かれた木製のドアの前に立った。

そしてドアを軽くノック。

「玉置くーん。大丈夫?」

(っていうか『LOVE TEPPEI』って何?そっちも大丈夫?)

すると、『ああ……入れよ』と掠れた声が中から聞こえた。

「熱出ちゃってよぉ……。まいったぜ」

照れくさそうに玉置はベッドに転がっていた。

「……うん」

(これは、死なないわ……。てか──)

「玉置君、……知恵熱?」

「あ?失礼な奴だな」

少し笑ったその顔は……

瞼が腫れていつもの切れ長な目はつぶれてしまっていて見る影もない。

そして目の下にはうっすらと隈があり。

ひょっとして昨日ずっと泣いてたんじゃ?

一人で、眠れなくて泣いてたんじゃ?

そんな事を思う良子に玉置が

「ふん。……昨日の夜、リエちゃんからまたメールが来てよぉ。本格的に恋の相談されちったよ。……渋木君はいいヤツなんだ」

と呟く。
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