原色ヤンキーにメガネ
家に帰って、自室の窓から見上げた満天の星空。

良子が帰る時、『またなんかあったらプール行ったり、飯食ったりしようぜ』と熱の残る赤い顔で玉置はそう言った。

『なんかあったら』。

(嫌いなんだよね『なんかあったら』って)

なぜこんなに残念な気分なのか。

むしろ考えようによっては

もう脅される事もないんだしプールで絡まれる事もないんだし藪で蚊に喰われる事もない。

正しくはプールは良子が絡まれたのだが。

(けど……これで良かったんじゃない?)

最初はこの勉強会から開放される事を心底望んでいたわけで。

玉置の恐怖から解放されて、また前みたいに平穏な日々を送れるのだから

(ラッキーじゃん!?)
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