原色ヤンキーにメガネ
「あら、玉置君。今日はガールフレンドと一緒?ああ、ビーちゃん忘れ物でもした?いつもありがとね~」

「あ……はい」

通りすがりの年配の先生に笑顔で答えている玉置を見て、良子は目眩を覚える。

この違いはなんだ。

玉置は何に対して『はい』と答えたのか。

(コイツは白昼堂々と、しかも保育園の駐輪場で、いたいけな女子を脅すような超不良ヤンキーなんですよぉ!)

騙されてはいけない。

良子は世界中に向けて警戒警報を発令したい気分になった。
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