原色ヤンキーにメガネ
(……へ?)

耳を疑う良子。

「ヨッちゃんがいいと思った問題集を使う」

良子の耳に追い討ちをかけるどこまでも他力本願な玉置。

「玉置君……これって何のための勉強なの?夏休みの宿題……じゃないよねぇ?」

「あ?言いたくねぇ。それは言いたくねぇ」

(他力本願な上に理由が言えない、だぁ!?いい度胸じゃないか!)

を良子は瞬時に丁寧語に変換した。

「それを聞かないと、私も本を選べないのですが……?」

「そ……そうか。じゃ、とりあえず高校一年と二年の範囲を頼む」

あまりに広範囲すぎてまったくヒントにならない返答に頭痛がしてくる。

(ああッ、もういいや!)

そうだよ。

適当に選ぼう。

そして適当に教えて、適当に終わろう。

(全部『適当でファジー』な感じでオブラートに包みまくって、ケムにまいて、これにてドロンだ、この野郎ッ!!)

良子は決意を新たに参考書と問題集に片っ端から目を通す事にした。
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