原色ヤンキーにメガネ
しかし……玉置はそんなに甘くはなかった。

「そんなに聞きたいのか?俺の勉強する理由」

「え?……え?」

(こ、答えちゃう?……いや、私は攻撃のつもりで。防御のつもりで──)

玉置の予期せぬ逆襲に今度は良子が及び腰になる。

「この前も聞いてきたよな?そんなにヨッちゃんが聞きたいなら……」

「う?……う……ん?ん~?」

(ちょっと待てぃッ!)

変な空気になってきた。

まず話の流れが怪しい。

この理由とやらを聞いたら、交換条件として自分もあの恥ずかしい理由とやらを話さなければならないような……そんな流れがなきにしもあらず。

(って事は……、は、話すな~!ストップトーキングだよ!)

焦る良子にまるで気づかずに玉置は口を開いた。
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