ワモン
A山動物園
ときどき
むしょうに動物園に行きたくなることがある。
で。
こうしてひとり、いまウワサの動物園に来てしまった。
アクリル素材の透明巨大円柱のなかを
アザラシが上下している。
「輪」の「紋」様があるので
『ワモンアザラシ』というらしい。
「あはは。バーカ」
変な男がニヤケた顔をして、
目の前のアザラシを指さし笑った。
オレはというと、ワモンアザラシの肌の模様を眺めながら
こうつぶやいていた。
「2次元バーコードみたいだな」
ふと。
ちょっとしたイタズラ心がわいてきた。
あのアザラシが降りてきたところを見計らって
ケータイをかざしてみた。
すると...。
なんとケータイの画面に次の文字が映し出されたのだ。
【15時16分30秒こども】
と。
それから10分後。
人工岩を背にゴリラがドッシリ座っている。
観客から「投げるぞ。投げるぞ」の声。
ゴリラが自分のお尻に手を当てて、
自分のウンコをつかもうとしている。
手のひらでつかんだ瞬間に
観客たちめがけて投げるのにちがいない。
現在15時10分。
あと6分あまり。
こども...というと。
アソコにオトーサンに肩車してもらっている女の子だけだ。
オレはなにか気配を感じ、すいこまれるように
2人に近づいていった。
むしょうに動物園に行きたくなることがある。
で。
こうしてひとり、いまウワサの動物園に来てしまった。
アクリル素材の透明巨大円柱のなかを
アザラシが上下している。
「輪」の「紋」様があるので
『ワモンアザラシ』というらしい。
「あはは。バーカ」
変な男がニヤケた顔をして、
目の前のアザラシを指さし笑った。
オレはというと、ワモンアザラシの肌の模様を眺めながら
こうつぶやいていた。
「2次元バーコードみたいだな」
ふと。
ちょっとしたイタズラ心がわいてきた。
あのアザラシが降りてきたところを見計らって
ケータイをかざしてみた。
すると...。
なんとケータイの画面に次の文字が映し出されたのだ。
【15時16分30秒こども】
と。
それから10分後。
人工岩を背にゴリラがドッシリ座っている。
観客から「投げるぞ。投げるぞ」の声。
ゴリラが自分のお尻に手を当てて、
自分のウンコをつかもうとしている。
手のひらでつかんだ瞬間に
観客たちめがけて投げるのにちがいない。
現在15時10分。
あと6分あまり。
こども...というと。
アソコにオトーサンに肩車してもらっている女の子だけだ。
オレはなにか気配を感じ、すいこまれるように
2人に近づいていった。