月と太陽の事件簿8/微熱混じりの推理
「昼はまだ寝てたから」
達郎は頭をかいた。
元気そうに見えるけど、本当はまだ具合悪いかもしれない。
うーん、事件の話をしていいものか。
考えあぐねていると、達郎の方から話を聞かせてくれと言ってきた。
断ったところで引き下がる達郎ではない。
仕方ない。あたしは事件を話すことにした。
西本の死体が発見されたのは今朝の八時すぎ。
場所は都内から車で二時間ほどのところにあるB県の別荘地だった。
発見したのは西本の妻・春代(31)と西本の第一秘書である山室武彦(35)に同行していた捜査二課の捜査員が二名と所轄の署員が二名の計六名。
「警察官が同行していたのか」
「春代から捜索願が出されていたのよ」
三日前の夜、西本は自らが運転する車で自宅マンションを出ていた。
行き先はB県。
「理由はなんだ」
「選挙活動のため地元に向かったのよ」
「西本はB県出身だったのか。そういや月末は衆院選だな」
達郎は頭をかいた。
元気そうに見えるけど、本当はまだ具合悪いかもしれない。
うーん、事件の話をしていいものか。
考えあぐねていると、達郎の方から話を聞かせてくれと言ってきた。
断ったところで引き下がる達郎ではない。
仕方ない。あたしは事件を話すことにした。
西本の死体が発見されたのは今朝の八時すぎ。
場所は都内から車で二時間ほどのところにあるB県の別荘地だった。
発見したのは西本の妻・春代(31)と西本の第一秘書である山室武彦(35)に同行していた捜査二課の捜査員が二名と所轄の署員が二名の計六名。
「警察官が同行していたのか」
「春代から捜索願が出されていたのよ」
三日前の夜、西本は自らが運転する車で自宅マンションを出ていた。
行き先はB県。
「理由はなんだ」
「選挙活動のため地元に向かったのよ」
「西本はB県出身だったのか。そういや月末は衆院選だな」