月と太陽の事件簿8/微熱混じりの推理
「その日の夜、シャワーを浴びたバスローブ姿の西本はある人物を呼び出し、その人物にあるものを差し出した。それがこの遺書だ」
達郎はFAXをひらつかせた。
「ちょっと待って。それじゃ遺書は正真正銘、西本が書いたものなの?」
「当然だ。ただしその遺書は西本自身のものではない。呼び出した、その人物のものだ」
ここで達郎は、いったん言葉を切った。
「つまり西本は呼び出したその人物に脱税の罪を着せようとしたんだ」
「…自殺を強要したわけ?」
「西本ならやりかねないと言ったのはレミだぞ」
そりゃそうだけどさ。
「西本は相手に対して言った。『遺書はオレが書いてやった。後はお前が死ぬだけだ』」
まるで見てきたかのように言う。
「だが相手は西本の企みを薄々察していたんだろうな。呼び出された時点であるものを用意してきていた」
「それが青酸カリ?」
達郎はうなずいた。
達郎はFAXをひらつかせた。
「ちょっと待って。それじゃ遺書は正真正銘、西本が書いたものなの?」
「当然だ。ただしその遺書は西本自身のものではない。呼び出した、その人物のものだ」
ここで達郎は、いったん言葉を切った。
「つまり西本は呼び出したその人物に脱税の罪を着せようとしたんだ」
「…自殺を強要したわけ?」
「西本ならやりかねないと言ったのはレミだぞ」
そりゃそうだけどさ。
「西本は相手に対して言った。『遺書はオレが書いてやった。後はお前が死ぬだけだ』」
まるで見てきたかのように言う。
「だが相手は西本の企みを薄々察していたんだろうな。呼び出された時点であるものを用意してきていた」
「それが青酸カリ?」
達郎はうなずいた。