月と太陽の事件簿8/微熱混じりの推理
「ならいいんだけど」
あたしはベッドに腰かけた。
「達郎、今日のニュースはもう見た?」
「今日はこれにかかりきり。新聞も読んでないんだ」
それじゃまだ知らなくて当然か。
「今日、西本春代が逮捕されたわ」
キーを叩く達郎の手が止まった。
「本当か?」
モニターからこちらへと視線を移す。
「西本殺害の実行犯は、春代だったのよ」
事件のあった夜、春代は西本と山室のやり取りを偶然耳にした。
そして西本が山室に遺書を差し出したことを知った春代は、西本殺害を決意したのである。
何故か。
「春代と山室は不倫関係にあったのよ」
西本は家庭で、仕事場で暴君のように振るまっていた。
そんな西本に一番近い存在である春代と山室は、互いの境遇に同情心を抱いていた。
年齢が近いこともあって2人が深い仲になるのに時間はかからなかった。
「春代は西本と別れたくて仕方なかった。でも西本は離婚に応じようとはしなかったの」
あたしはベッドに腰かけた。
「達郎、今日のニュースはもう見た?」
「今日はこれにかかりきり。新聞も読んでないんだ」
それじゃまだ知らなくて当然か。
「今日、西本春代が逮捕されたわ」
キーを叩く達郎の手が止まった。
「本当か?」
モニターからこちらへと視線を移す。
「西本殺害の実行犯は、春代だったのよ」
事件のあった夜、春代は西本と山室のやり取りを偶然耳にした。
そして西本が山室に遺書を差し出したことを知った春代は、西本殺害を決意したのである。
何故か。
「春代と山室は不倫関係にあったのよ」
西本は家庭で、仕事場で暴君のように振るまっていた。
そんな西本に一番近い存在である春代と山室は、互いの境遇に同情心を抱いていた。
年齢が近いこともあって2人が深い仲になるのに時間はかからなかった。
「春代は西本と別れたくて仕方なかった。でも西本は離婚に応じようとはしなかったの」