月と太陽の事件簿8/微熱混じりの推理
「オレが就職しちゃダメなのかよ」

「ダメじゃないけど、ちゃんと考えてるとは思ってなかった」

「ひどい言われ様だな」

達郎は苦笑した。

だって普段はそんな話したことないし。

「義務教育から数えて20年近く学生やってるからな。そろそろこの立場から卒業しないと」

まぁ確かにそうだ。

あたしは納得しながらも前から思ってたことを口にしてみた。

「ねぇ、達郎は警察官にならないの」

「オレが?」

達郎は意外そうな顔をした。

「オレは警察官に向いてないだろ」

「そりゃそうだけどさ」

「納得すんなよ」

しょっちゅう迷惑かけられてるあたしにしてみれば、達郎のようなマイペース男が宮仕えに向いてるとは思えない。

しかし達郎が数々の事件を解決するのを目の当たりにしたのもあたしなのだ。

「達郎が警官になれば、みんな助かると思うんだけど」

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