君が笑顔になれますように
「ごめん…。俺……一緒に帰る人がいるから。」



准が私の手を握る。


ドクン…と鼓動が体を駆け巡る。



「あ……そうなんだ…。」


急にハッとして、私に視線をうつす可奈さん。



「ごめんね…。私、ついつい准に会えたのが久々で嬉しくて、話すのに夢中になっちゃった…。本当にごめんなさい。」



深々と頭を下げて謝られると…、何も言えないよ…。


「准…、邪魔しちゃって、ごめんね。じゃあね……」


可奈さんは校門の方へ駆け足で少し走っていくと、急にピタッと止まった。



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