君が笑顔になれますように
9.海に溶けた涙
もう季節は晩秋…。
外に出ると、冷たい風が頬に刺さるくらい寒くなってきた。
こういう季節に一人で帰るってのも、余計に寒さをかんじちゃう…。
……ってことを、言っていても仕方ないのは、十分分かっているけどさ…。
そんなある日の放課後、先生のところに出し忘れていた課題を出してから、私は教室にカバンを取りに戻ってきた。
クラスには生徒がほとんど残っていない。
ふと、准の席が視界に入ってくる。
あ…
准のカバン…まだある…。
まだ校内にいるんだ…。
可奈さんと一緒に帰る待ち合わせとかしてるのかな…?