君が笑顔になれますように
准も私に気付き、足を止める。



少しの間、お互い黙って立っていた。



何か話したいけど、でも話せなくて…。



もどかしい…。



ずっとここで立ちっぱなしでいても、しょうがないよね…。



私は止まっていた足を一歩ずつ前に進めて階段を降りる。



准との距離が徐々に近くなり、体に緊張が走る。



なんでドキドキしちゃってるんだろう…私。



准のところまで階段を降りてきた私は、“じゃあね…”とだけ言って、横をスッと通り抜けた。



えっ…?




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