君が笑顔になれますように
「…ごめんね。私が展望台に准を連れて行かなければ、急に思い出して悲しい想いをすることも無かったのに…。」



私…、准に迷惑かけてばかりだったなあ…。



「あの時も言ったけど、桜が悪いわけじゃないよ。だって桜は俺に綺麗な夕日と町の景色を見せたくて、連れて行ってくれたんだろ?俺…そういう桜の気持ちが嬉しかった。」



ポロポロと涙が頬をつたって砂浜へ滲んでいく。



准は私が思っている以上に、過去を思い出して切なかったはず…。



それなのに、展望台へと誘った私を責めることなく“嬉しかった”って言ってくれるんだね…。



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