君が笑顔になれますように
准の言葉が聞こえたと思った瞬間、私は後ろから抱きしめられた。



「准…、離して…。」



「離さない…。だって、俺…もう大切な人を失いたくないから…。」



強く抱きしめられて、私は身動きすらとれない…。



どうして、そんな風に言ってくれるの…?



「俺、このまま桜の傍にいても、桜を幸せに出来るのかって思ったら、自信なくて…。距離をおいて、考えてみようって思ったんだ…。別れた方が桜のためにもいいのかなって思った時もあった…。」




准の体温が徐々に私に伝わってくる。



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