君が笑顔になれますように
「准……私…渡したかったものが……」
私がそう言うと准は近くのテーブルに置いてあった紙袋を手にとった。
私が持っていったチェックの紙袋…。
グシャグシャになって、少し血もついている。
その袋の中から大事そうに私の編んだマフラーを手にすると、准は早速巻いてくれた。
「どう…?似合ってる…?」
准の言葉に、私は頷いた。
「このマフラー、すごく温かいよ。桜…ずっと内緒で編んでくれてたんだな…。嬉しいよ…。ありがとう…。俺、毎日使うからな。」
准はつたう涙を必死に拭いながら、何度もお礼を言ってくれた。