君が笑顔になれますように
「そろそろ帰る?」
その日の放課後、いつものように准は私の机の傍に来て私に声をかける。
「ちょっ…ちょっと待って!」
私は慌てて荷物をカバンに押し込める。
私ってば、准を待たせてばかり…。
本当にトロいな…私。
「ちゃんと待ってるから、そんなに急ぐなよ。俺…わりと気は長いから。」
准は私の前の席に座ると私の方にイスを向けた。
背もたれに肘をついて、帰る準備をしている私を見つめる。
そんなに見られてると、緊張して準備が手につかないよ…。