君が笑顔になれますように
「…ごめんなさい。詮索するみたいなこと聞いてしまって…。」


「いいのよ。私も今…桜ちゃんに話そうと思ってたから。」



え…私に…?



舞実さんは、もう一度水を飲むと、准のことを話し始めた。



「准は…10年前に父親を亡くしたんだけど、その1年後に母親が失踪したの…。詳しい理由は分からないんだけどね…。それ以来なの。准から色んな表情が消えたのは。」



舞実さんの話が聞き取れなくなりそうなほど、私の心の中には衝撃が走っていた。



准…どれだけ辛かったんだろう…。



表情が消えてしまうほど、准の心をえぐった出来事…。



私は胸がズキッと痛むのを感じた。



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