Endless。。。
おそるおそる私は林先輩の真向かいの席に座った。

「・・・あの・・・」

「うん・・・」

ほぼ無意識状態&早口で私は叫んだ。
「とっっ!!友達からお願いします!!!」

その瞬間林先輩の顔がぱあぁっと明るくなった。

え・・・?ゥチ断ったのに・・・

そのとき。 ガラガラ・・・

「みんなおまたせ~!なんか私だけ書類がたりなかったから呼ばれてたの。」

田所先生が帰ってきた。

先生「あれ、手島さんは??」

林「先生会わなかったんすか??」

先生「いや、作品持って来てくれた時に会ったんだけど、その後すぐ戻っちゃったからてっきり部室にいるのかと思って。」

ガラガラ・・・ どうやら先輩はトイレに寄っていたようで今部室に戻ってきた。

「あ、先生おかえりなさい!そろそろ部室閉めましょうか♪みんな書けたし♪」

「そうね!じゃあ帰る準備をしてください」

私たちは隣の美術室に行って筆を洗ったり、文鎮を片付けたりしてから鞄をからった。

「「さようなら~!」」

戸締りをして、部室を出た後も、林先輩の顔は明るかった。

林先輩はそのまま1人で学校を出て駅まで走っていった。

私はどうも腑に落ちず、突っ立っていると、後ろからポンっと肩に手を置かれた。
沙希先輩だった。

「よかった☆あたしは安心したよ♪
じゃあ、あたし電車の時間やばいから今日は帰るよ!またね♪」

「あっ、ちょっ・・・」

私の声は闇の中に吸い寄せられ、気づかぬ先輩は走って駅へ向かった。

自転車でダッシュで追いかければ間に合ったかもしれないが、そこまでして呼び止めるような話ではないと思い、追いかけて声をかけることはしなかった。

私は林先輩に対して少し申し訳ない気持ちで満たされながら、暗い道をゆっくりこいでいった。


自分が大変な言い間違いをした事にも気づかずに・・・
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