きみとベッドで【完結】
願いか。
人は願いがないと生きていけないというなら。
俺はこう願うことにしよう。
どうかこの淫らな野良猫が
安心して俺のふところで
眠れるようになりますように。
こんな願いを俺がしたと知ったら、
きっとシキは、大笑いするだろう。
「いい夜だな」
「うん。そうだね……」
お風呂入れようか。
そう言って部屋を振り返ったシキは、
その動きを止めた。
驚いたみたいだな。
リビングのテーブルには、ろうそくの明かりが揺れるケーキ。
まったく、
俺はこんなことをする男じゃ、なかったんだけどな。
自分の変化がおかしくてしょうがない。