きみとベッドで【完結】
そしていつか、
俺に本当に心を許したら
その時は俺に本当の誕生日をおしえてくれ。
それまで待つから。
いくらでも。
言葉にしなくても、きっと伝わる。
そう思って抱きしめていたが、シキは何の反応も示さない。
もしかして、呆れているのか。
そう思って彼女の顔をのぞきこんだら、
「……お、おい?」
シキは、涙を流していた。
声は出さず、息さえ殺して。
ただ静かに
目から水分をあふれさせていた。
「どうしたんだよ?」
俺はなにか、彼女を傷つけるようなことを言ったのだろうか。
わからない。
シキには秘密が多すぎる。