きみとベッドで【完結】
その日のシキは
いまにも壊れてしまいそうなほどもろく見えて。
俺は彼女を抱けなかった。
ただベッドの中で、子猫のように小さく丸くなって震える体を
優しく包んでいた。
「おまえは一体、なにを抱えこんでるんだろうな……」
そのまま眠ってしまったシキの髪をすきながら、
答えを求めずに問う。
いつかきみは、すべてを話してくれるだろうか。
俺に包み隠さず、すべてをさらけだしてくれるだろうか。
その時がくるまで、
俺はいつでもきみのすべてを受けとめられるよう
準備をしておこう。
安心して、俺だけのものになればいい。