きみとベッドで【完結】
喉の奥で笑った。
モテない方ではないが、俺は昔から女と長続きする方でもなかった。
きっとつまらない男なのだろう。
それなのに、
シキはよく飽きもせず俺の部屋にいるなと不思議に思った。
「そういう意味じゃないですよ」
「じゃあどういう意味だ?」
「だって先生は、」
あたしのことが、好きでしょう?
そんな浅倉のセリフと同時に、
指にはさんだ煙草から
灰がゆっくりと落ちていった。
「……なんちゃって!」
浅倉はいたずらに成功した子どものように笑った。
「じゃあ先生、また来週。CDちゃんと聴いてくださいね?」
ひらひらと手を振り、笑顔のまま浅倉は喫煙室を出ていった。
俺はうまく、笑えた気がしなかった。