きみとベッドで【完結】
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「そーしてると、あんたもちゃんと学生に見えるんだね」



まだ開いていないショットバーの前。


外よりは涼しい廊下で待っていたら、


その前の階段を上がりかけていた学生が、動きを止めてこっちを見た。


緑ベースのチェックのパンツ、校章の入った白いポロシャツ。


髪の長ったらしい男には、よく似合ってる。



「シキ? なにやってるんだ、こんなとこで」


「あんたを待つ以外、なにがあるの」


「だって、こんなに暑いのに」


「別に平気」


「まぁ、おまえは寒がりだしね」



おいでって笑って、幹生が階段を上がっていく。


あたしは黙ってそれに続いた。



ここの狭い階段を上るのも、久しぶりだ。


幹生の部屋に入るのも、久しぶり。



幹生と出会ったばかりの頃を思い出す。





あの頃あたしは、死んでいた。

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