きみとベッドで【完結】
「そうだな。お盆あたりとその前後は、悪いが出られない」
「わかりました。お盆、帰られるんですか?」
「まぁ、そんなとこだ」
墓参りなんて、教師になってからここ何年も行っていないな。
実家にだって親にうるさく言われて、年末しぶしぶ帰るくらいだ。
幸い親は2人とも元気。
おまけに俺は長男じゃない。
職場でも家でも、俺は楽な立ち位置にいる。
「あの……」
「ん? なんだ、今日は活動なしだろ」
「そうじゃなくて。……先生、前に渡したCDなんですけど」
「CD? あー……」
コンサートの前に浅倉がくれたあれか。
俺は思わず目をそらした。
さて、どう答えようか。