きみとベッドで【完結】
浅倉に対する罪悪感は、もうほとんど消えかけていた。
同じように、シキに対して持っていた罪悪感も薄れていた。
俺の気持ちが定まってきたからだ。
浅倉はすぐ満足すると思ったが、
なぜかそうはいかなかった。
「聴いた? 本当に?」
「ああ」
「本当に聞きました?」
「……なんで?」
俺がいぶかしげに聞くと、
浅倉は少し困ったような顔になる。
「なんでって……」
「ありがとな。でも悪いが、もうCDはいいよ。クラシックはどうしても合わないみたいだ」
俺がそう言うと
浅倉はなんとも表現しがたい顔をして。
黙って頭を下げ、職員室を出ていった。