きみとベッドで【完結】
◆名残夢‥‥side ANDO
なぁ、シキ。
おまえが突然いなくなって、俺がどんな気持ちになったか、
おまえにわかるだろうか。
怒りもあったし、悲しみもあった。
けれど1番大きかったのは、終わりの見えない後悔だったよ。
俺はおまえのなにも知ることなく、おまえに惹かれて、
おまえのなにかを知るまえに、おまえにいなくなられた。
俺はいったい、おまえのなにを見ていたんだろうな。
おまえがなにを想って俺のそばにいたのか、ちっともわからないんだ。
ただ、
あのベッドの中でだけ「さみしい」と泣いていたおまえの心の声だけは、
なんとなく聞こえていたよ。
つかみどころがなさすぎたおまえだったけど、
あの声だけは
本物だった気がするんだ。