きみとベッドで【完結】
あれから何度かあのジャズバーにも行ってみたが、
七夕以来シキとは連絡がつかなくなったと、オーナーらしき男も言っていた。
きっと……
シキになにかあったのだ。
夜の街から去らなければならなくなった、なにかが。
俺のそばから離れなければならなくなった、なにかが。
ただ、体の代わりに宿をくれる男を探して、フラフラと夜を彷徨わずにいるのなら、
まだ俺も救われる。
虚しさはちっともなくなりはしないけれど。
なぁ、シキ。
おまえはいま、どこでなにをしているんだろうか。
元気でいるのだろうか。
ベッドの中で、1人で泣いてはいないだろうか。
それだがとても心配だ。