きみとベッドで【完結】
物思いにふける俺の目の前を、
桜の花びらが1枚、ひらひらと舞い落ちる。
春休みが終わって、今日から新年度だ。
「先生おはようございまーす!」
「おはよう」
「アンドレ久しぶり~」
「その呼び方はやめなさい」
声をかけてくる生徒ひとりひとりに応え。
クラス替えの張り紙がはられた掲示板の前で、いつまでもたむろしている2年生を校舎へうながしていたら、
「安藤先生!」
特別に明るい声に呼ばれた。
そのよく通る声に振りかえると、
友人たちに囲まれた浅倉が笑顔で立っていた。
さらさらな黒髪がまた伸びて、少し大人っぽくなった浅倉。
だが、俺に向けてくる笑顔は変わらない。