きみとベッドで【完結】
「教えてくれてもいいじゃないですかー」
頬をぷくりとふくらませる浅倉。
その仕草はまだまだ子どもだと、俺に感じさせる。
浅倉は友人たちをうながして、掲示板の方へと歩いていった。
その後姿にため息をつく。
浅倉を見るたび、どうしてもシキのことを思い出してしまう。
彼女がいなくなってから、
何度浅倉を“シキ”と呼びそうになったかわからない。
以前はシキに浅倉を重ねていたのに、
いまは浅倉にシキを重ねている自分がいる。
本当に、俺という男はどうしようもない。
「おはよう姫衣~」
「浅倉久しぶり!」
掲示板の前に立った浅倉に、生徒が次々に声をかけている。
浅倉はいつもたくさんの仲間に囲まれている。
特に目立つことをしているわけではないのに。