きみとベッドで【完結】


破り捨てたメモのことを思い出す。


CDの中に忍ばせてあった、浅倉のメモ。



実際俺はそれを読んでいないから、それが本当に浅倉が書いたものなのかどうかはわからない。



ただ、シキが『浅倉からのメモ』と言って見せてきたものを、


俺はためらいなく破り捨てた。



それだけが事実。



中身は知る必要はないと思ったんだ。



それなのに、


あいつは、最後の最後に手紙で俺につきつけて、去っていった。



浅倉の気持ちを、


まるで代弁するかのように。


目を覚ませと、冷や水をかけて、


俺を嘲笑っていたのかもしれない。



いや、



俺にはシキの考えなど、


本当になに1つわからないんだ。

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