きみとベッドで【完結】
生徒は上流階級のお嬢様がたばかりというその学校の制服は、
彼女にはとても
笑いたくなるくらいとても、
よく似合っていた。
以前と変わらない長さのつややかな黒髪をかき上げて、
あの深く光る黒い瞳で、俺を見上げ。
きみはふわりと、柔らかに
俺が初めて目にする笑顔を見せた。
「久しぶり」
隣りのクラスの前で立ち止まり、
きみは気安げに声をかけてきた。
なんと返したら……
混乱する頭で一瞬考えたが、
声をかけられたのは俺ではなかった。
「オルハ……」
俺のうしろで、浅倉が呟いた。
その声は震えていた。