きみとベッドで【完結】
金持ちなんだから、勉強なんてしなくたって大丈夫なんじゃないの?
そう聞きたいんだろうけれど、優等生のあんたはそれを口にできない。
いい子の姫衣。
せいぜいそうやってがんばればいい。
「あたしも、姫衣ほどじゃないけどそこそこ勉強はできるんだよ? 編入試験だってほぼ満点だったし。
浅倉姫衣のいとこが、頭悪いってなったら……あんたも困るでしょ?」
「別にあたしは……」
「ねぇ姫衣。仲良くしていこうよ。あたしはあんたの生活の邪魔なんてする気はないよ。
余計なことは言わないしね」
「なに、余計なことって」
「……色々とあるでしょ。そうだ、こんどあんたの家に遊びに行こうか、久しぶりに。
おばさんたちは元気?」
姫衣はなんとも言えない苦い表情をして、
小さくひとつうなずいた。