きみとベッドで【完結】

無理してうなずかなくたっていいのに。


どうせ行かないんだから。


あんな場所、1秒だっていたくはないよ。



そんなことより、



これからどうこの2人をいじめてあげようか。


そう考え始めた時、鞄に入れてあったケータイが震えた。



ディスプレイに表示された名前にため息。


このケータイに登録されている番号は1つしかない。



「もしもし?」


『ああ、シキ? おまえどこで迷子になっちゃってるの?』


「ごめん、いま行く」


『おまえを待つのは慣れてるからいいけどね。外にいるから』


「うん。じゃあね」



ぱちんとケータイを閉じる。


先生の視線の先に気づいて、笑った。

< 184 / 339 >

この作品をシェア

pagetop